売りのプロを目指す店長講座


2.店長の売上げ管理と在庫管理
売上げ管理は売上げ創造のためにする
毎日の売上げ管理はどのようにされてますか。POS(販売時点情報管理)でしているから、何もしなくても良いと考えていませんか。データは本部で作るもの、活用するのも本部の仕事と思っていませんか?。データは本部から上がって来ても、活用するのは現場の仕事だし、データが無ければ店長自身で作って下さい。

売上げ管理は売上げ構成比率(パーセント)と、売上高の2つがあります。売上げ構成比率は売り場面積、陳列面積を変えるデータで、売上高は陳列密度と在庫管理に使います。いずれも商品部門別(レディス、メンズ、スニーカー)の大分類と、スタイル別(パンプス、サンダル)の中分類を毎日、毎週、毎月、季節、年間毎に集計します。アイテム別(ブランド)の小分類は、時期によって大量に売れる商品や、瞬間的に売れる商品のみをスポット的に集めましょう。

売上げデータはPOSやレジスターで取りますが。店にその機能が無い時は手作業で取ります。集計用紙をレジの側に置き、売上げた毎に記入して閉店後集計します。アイテム別はナイキやコンバース、リーガルやゲスなど主要なブランドを記録しましょう。それはブランドによっての売れる時期が異なるからです。これを把握しませんと売場の重点商品の打ち出しが出来ず、売り逃がしの要因にもなります。その他のデータとして色別やエイジ別がありますが、1年中取るデータではありません。必要性があった際に臨時に記録します。

売上げデータは商品部門とスタイルは毎年大きく変化しませんから、前年のデータが十分役に立ちます。アイテム別のデータはファッショントレンドが大きく変わるとデータも大きく変わります。例えば好況時には、ハイテクスニーカーが得意とするナイキが注目され、不況時にはベーシックスニーカーのコンバースが人気を集めます。

特発性と思われるデータであっても、毎年取り続けると継続性のあることに気付きます。イングのパンプスが売れる日、リーガルのトラッドが良く動く日、ビルケンばかり聞かれる日があります。これを営業日報に記録しますと来年きっと役立ちますよ。今年イングの売れ筋が無ければマーガレット・ハウエルを用意すれば良いのです。

データは継続的に取っていると予測が簡単に出来るようになり、面白いように売上げを創れます。ファッショントレンドは変化しても、以前のデータから類推も出来ますから、売上げ予算を立てられますし、売上げ予算が立てば在庫予算を決められます。店は機会損失を減らすことが出来ますから、売上げ管理の達人になれるでしょう。


簡単な在庫管理
在庫管理は適切な在庫を持ち販売機会をなくすことと、過剰在庫による値下げロスを始め様々な商品ロスを減らすために行います。中でも商品ロス高は膨大で靴小売業全体では総売上高の10%、経常利益高の6~7倍に達していると思われます。商品ロスがゼロに出来れば、販売員全員の年間給与を200万円ベースアップが可能になるほど、商品ロスは巨額なのです。

在庫管理を適切に運用する数値には商品回転率があります。商品回転率の数式は下記
年間売上高÷年間平均在庫高×100で求められますが、これでは実務上使い難いので、商品回転日数に置き換えましょう。商品回転日数は1年間の日数÷商品回転率で求めます。

商品回転率と商品回転日数の適正値は商品単価によって異なります。この数値は店の売場生産性(売り場面積1坪当たり年間売上高)とファッション・グレードによって多少変わりますが、平均的には

商品単価 商品回転率 商品回転日数
2,500円 24回 約15日
5,000円 14回 約26日
 10,000円 9回 約40日
20,000円 5回 約75日
40,000円 3回 約120日
80,000円 2回 約180日

2,500円のミュールは1日平均売上高の15日分持てば良いのです。1日平均10足売れるミュールは10足×15日=150足の在庫が適正在庫です。40,000円のエンジニア・ブーツが1日平均1足売れる店は120日の売上げ足数分の120足の在庫が適正値と言えます。ただ取引先の納品状況によってこの数値では回らない店もありますから、前記の基準を±して自店の適正在庫を決めましょう。

商品単価は高いほど商品回転率は低く商品回転日数を長く取れるのは、販売期間を長く持てるからです。2,500円の低価格品は15日間で完売しなければなりませんが、40,000円の商品の販売期間は120日間持っていても良いことを意味します。もちろんこの期間より早く売り切った方が望ましいのは言うまでもありません。10,000円以上の商品で、前記の商品回転日数を上回った在庫を持つと過剰在庫になります、商品鮮度は悪化して商品ロスを急増させますから、気を付けたいものですね。


 
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