水飼 茂の経営提言 (2011年1月6日掲載)

デジタルマーケティング時代の営業戦略 Ⅰ

「ギャルパワーで閉塞社会を打ち破る」

企業業績を決めるのは商品力
 業績を左右するのは商品の生命力の強さが全てを決定します。金融危機や景 況、立地の良し悪しで左右されるものではありません。強い生命力を持った企 業だけが時流に即したトレンド商品を生み出し、好業績を上げ続けるのです。 強い生命力を持つトレンド商品とは、①ファッションと②エンターテイメント 性に溢れた商品を指します。

 ファッションやエンターテイメントを楽しめたのは、昔は貴族だけでした。 華麗なファッションで身を包み、毎晩パーティを楽しんでいました。そのトレ ンドーを担ったのがデザイナーやオートクチュールでした。ところが今日のよ うなデジタル社会は、情報の平準化を進める大衆社会です。大衆の風俗から強 い生命力を持つ商品が生まれます。中でも生命力の強いのは男性よりも女性、 アダルトよりもティーンズです。現代企業はギャルが好む商品をどれだけ創り どれだけ集めるかが、業績を左右させてしまう時代が到来しました。

 1億2千7百万人の国民の生活を預かっている国家の首相、何十万人の社員 の生活を預かる大企業のトップたちは、未曾有の国難や業績不振を、「百年に一 度の経済危機」で片付けています。しかし彼らには時代のトレンドが全く見えて いません。だから欠損企業に転落してしまうのです。

① ギャルの感性と徹底したコスト意識に学ぶ
 ギャルたちのライフスタイルを見て、つくづく感心するのは「身の丈」生活で す。電車で移動できる地域では車を持たない。車がなければ生活が出来ない地 域では、燃費と使い回しの良い軽を買う。インナーはユニクロやしまむら、ア ウターはヴィンテージ(古着)、ヴィトンやグッチは質屋で安く買う。その感性 の鋭さと徹底したコスト意識にはびっくりさせられます。バブリーな生活をし ていた米国の貧民層に、車を売りまくって失速したトヨタやソニーのトップた ちに、ギャルの生活トレンドを学んでもらいたいものですね。

② ポジティブMD化
 ギャルを客層の対象にした企業のトップたちは、「景気が悪いからしょうが ない」とか、「立地が悪いから売れない」など、後ろ向きの発言は一切ありません。 彼らは現実に打ちのめされずに「楽しく生きる」生活提案をすることに徹してい ます。ところが政治・経済界のトップたちや、マスコミ。靴・バッグ業界人は、 不振の原因を外部に求め、社会に責任を転化して自らを救われようとしていま す。もうネガティブな考え方を持つ人たちは、退場していただきましょう。

③ 存在感がなければ商品ではない
 シンプル・ベーシック、ミニマリズム、それらは、ライフスタイル商品や大 物商品(家具や服)の話であって、靴・バッグ・アクセサリー類は存在感がなけ れば売れません。存在感とはデザインがギャル仕様のこと、靴・バッグの素材 はエナメルやメタリックなどのシャイニー物、爬虫類やアニマル柄などの表情 豊かな加工素材が求められます。ディテールはアーティステックなカットワー クや、大ぶりパーツでしっかり盛りましょう。何故?って、それは服がシンプ ル・ミニマル・モダンの方向にあるから。靴・バッグなどの小物雑貨は、スパ イス的な役目が求められるからです。

④ キッズやシルバーのギャル化を図る
 ケータイやアニメ、ゲーム機はジュニアとキッズへ拡大し、アダルト~シル バーまで広がりを見せています。ヴィトンやグッチは、ミセスとシルバーのシ ョッピングバッグ化しました。ギャルカルチャーは年齢・国境を超え、その伝 播力は恐ろしいほどのパワーを秘めています。ギャル商品の根底にあるものは 強いアンチテーゼです。体制側に対する反骨精神が面白い商品を生み、オーラを放ちます。「楽しくなければバッグではない」「元気になれなかったら靴ではない」時代が到来しました。アニメやゲーム機の次の世界商品は、ギャルファッションであろうと思われます。日本のギヤルが世界の「おしゃれアイコン」になるのは時間の問題でしょう。

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