水飼 茂の無料経営相談室


 
靴チェーン店のバイヤーをしています。不思議な事に、自分では「売れ筋」と考えて仕入れた靴が、現場では「死に筋」に変るケースが多いことです。どのような問題が考えられますかお教え下さい。(2019.1.15)


問題はバイヤー側と、現場の販売員側にある場合の二つが考えられます。


バイヤー側にある場合は
① ファッション・トレンドを外した場合です。商品には「売り筋」と「売れ筋」、「死に筋」の三種類あります。「売り筋」とはファッション・トレンド品のことで、次の「売れ筋」になる商品。ですから「売れ筋」はトレンドから見れば、そろそろピークを過ぎる商品です。バイヤーが「売れ筋」と思った商品が「死に筋」に変るのは、「旬」を通り過ぎたことを意味しています。

② 次に考えられるのは、バイヤーの能力不足、計画性のない仕入れ方です。仕入計画は、商品カテゴリー別に売上予算を算出して、商品回転数を決め、在庫予算を立てて、仕入予算を決定する段取りですが、これか殆ど守られていません。いつも「適当」に仕入れていますから、靴小売店の在庫は慢性の過剰在庫状態にあるのです。

③ 三番目はバイヤーに対する現場の尊敬度、尊敬されないバイヤーさんの商品は、現場にとって邪魔扱い、売る気を全く起こさないので、「死に筋」の山を築きます。バイヤーの尊敬度とは現場の指導性です。トレンド商品の売り方、売場の組み立てや陳列手法、「死に筋」を「売れ筋」に変える話法など、売場のプロでなければ、バイヤーは務まりません。



 販売員側にある場合は
① 販売員のファッション意識不足。ファッション・トレンドやライフスタイル・トレンドに対する関心の薄さです。ファッション・トレンドがトラッドに来ているのに、フェミニンな格好して店に立っている、パーティライフを売るのに、カジュアルな服で接客に当っていれば、折角の「売れ筋」も「死に筋」化させてしまうでしょう。

② 第二は販売員の演出力不足です。アウトドアライフを売るのでしたら、どのように陳列すれば臨場感を増し、説得力を高められるかのVP(ヴィジュアル・プレゼンテーション=視覚に訴える陳列)技術が求められます。これを備えていないから、安物しか売り切らないのです。店は劇場、売場は舞台、販売員は売り込むキャスト(役者)なのです。

③ 販売員は売るのがラクな商品を売りたがります。売るのがラクな商品とは、有名ブランド品、低価格品、新入荷商品です。有名ブランドのリーガルやコンバース、ナイキやニューバランスなら、誰でも知っていますから、アホな販売員でも売れます。低価格品は何も知らない無知販売員でも務まります。それが日本中、ケミカル靴を溢れさせました。また入荷したばかりの商品は、新鮮なので売りやすい、その結果売場は古靴が滞貨して、賞味期限切れの商品で溢れています。販売員は、売るのが難しい商品から売るのが仕事なのです。




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