水飼 茂の無料経営相談室


 
靴店経営者です。毎日一生懸命頑張っているのに、苦しい経営が続いています。どうしてでしょうか、お知恵を貸して下さい。(2021.3.17)



仕事の優先順位が間違っているのではないでしょうか。仕事の優先順位は、①商品構成、②接客技術、③売場づくりの順番です。仕事の割合は①が6割、②が3割、③の売場づくりが1割です。後はどうでもよい。この順位を守れば、どんな山奥にある店でも繁盛間違いなし、ネットで売ればどこでも売れますから。


そこで先ずは、①の商品構成から、良い商品構成とは、ファッショントレンドに乗せた商品で、店格に合わせた価格で売ることにあります。ファッショントレンド品とは今の旬、時流に合った美味しい商品のこと。店格は経営者の力量の表現で営業力を指します。営業力はトレンド高価格品を売り切る力です。トレンド高価格帯にお客様が憧れるからです。

何処の店にも置いてある定番商品は、干物と同じですから美味しくありません。しかし現場は売り易い低価格定番品が、売場に溢れています。その上定番品はIT革命による価格破壊で、価格競争に晒らされて店は儲けられません。安物はお客様が欲しがりませんから、低価格定番業態の不振が続いています。


次は②の接客技術。ファッショントレンド高価格品を売り切るには、それなりの知性と教養が求められます。知性とは物事を知り考え判断する能力、教養とは知識や行動のことです。ファッショントレンドを備えるのが知性、売り切るのが教養と言えます。ところが双方備えている販売員は殆ど見られません。そのためファッショントレンド品を売り切らず、折角の売れ筋商品を死に筋商品にしてしまうのです。


これはバイヤーやマネージャー側にも責任があります。何も知らない、何も教えない幹部が現場を仕切っています。トレンドを教えるバイヤー、売り方を指導するマネージャーが不在なのです。太平洋戦争時代の海軍司令官、山本五十六の名言、「やって見せ、言って聞かせて、させて見せ、褒めてやらねば人は動かじ」なのです。

最後は③の売場づくり。店はモノの置き場ではありません。モノを欲しがらせる場です。アウトドアシューズの売場ではなく、アウトドアライフを楽しませる舞台なのです。どうしたらお客様へ説得力を伝えられるかのVP(ヴジュアルプレゼンテーション=視覚に訴える場)が求められます。店は劇場、売場は舞台、接客はお客様をもてなすキャスト(役者)なのです。



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