水飼 茂の無料経営相談室


 靴専門店を経営していますが、同業者が減り続け東靴協会の組合員は最盛期から比べて10分の1に減ってしまいました。この先靴専門店はどうなるのでしょうか、どうしたら繁盛させられるでしょうか、靴市場の未来をお教え下さい。 2017.6.1
 

コンピータと通信による第四次産業革命は、限りなく無駄を省く効率化を図る産業革命ですから、市場は縮小を続けるのは致し方ありません。日本統計協会の家計調査報告によれば、消費者の品目別支出金額は、殆どの品目で減り続けています。でもご安心下さい。履物市場は2004年時の67%を底に上昇を続け、現在はバブル時の74%に回復しました。

消費が減り続けている中で、僅かながら増やしている品目があります。まず医療と健康関連それに美容理容用品です。美容理容サービスは減らしましたが、化粧品は大幅増でした。食料は微減で推移しています。大きく減らしているのが耐久消費財の家具と洋服です。中でも紳士服は半減、婦人服は4分の1に激減しました。

履物市場はバブル時の74%ですが、減少幅の大きいのはヘップサンダルや他の履物の生活必需品で、運動靴や婦人服は減らしていません。注目市場はかばん類で、バブル崩壊時の94%と大健闘を続けています。しかもこの数年上昇幅が高まり、バブル崩壊時を上回る勢いを見せています。

①増やし続けている品目は健康関連。②微減なのは健康の素になる食料品。減り続けていたがこの数年増加に転じたのが、③かばん類と履物類とファッション雑貨類でした。これらの数値すら何が読み取れるのでしょうか。市場を拡大させる要素は、モノではなく健康と美しさを提案する業態でした。美しさの表現は洋服などの大物ではなく、靴・バッグなどのファッション雑貨へ移行したのです。同じファッション雑貨なのに、かばん類が履物類より支出を減らさない原因は、④価格破壊度の違いでした。かばん類の国産化比率の高さが明確に現れたのです。

靴専門店の衰退は何故起きたのでしょうか。最大の要因は大手チェーンの真似をして、物(靴)の量販に走ったからです。そのため中国を始めとして輸入靴を扱い、凄まじい価格破壊を続けました。洋服は価格破壊をしても着心地は悪くなりませんが、靴は価格破壊を進めるほど履き心地を悪くします。バイヤーや販売員など自分達さえ履きもしない、低価格のケミカル靴やスニーカーに走れば、消費者から見放されるのは当たり前でしょう、
靴専門店を復活させるキーワードは何でしょうか
①ファッショントレンド靴を扱う。お店の使命は靴を売るのではなく幸せを売るのです。ファッションは履く人の幸せを表現するもの。ファッショには人とお金を集める不思議な魔力を持つからです。

②足の健康を促進させる靴を売る。足の健康を守るコンフォート靴を売るのではありません。コンフォート靴は足の筋肉を弱めることがあります。何事もラクをさせたら機能を衰えさせる。認知症を防ぐのなら、足を鍛える靴を売りましょう。

③幸福物語を売る。靴を売るのが靴専門店と勘違いしていませんか。靴を売ろうとするから量と価格破壊に走るのです。物願望は飽和状態化して売上不振に陥りますが、幸せ願望は際限ありませんから売上高は無限なのです。

④接客力を磨く。順番は①→②→③へ、+知性と教養が求められます。何も知らない販売員は5千円の低価格靴を売るのがやっと、①のファッション知識を身に付ければ1万5千円の革靴を売り切る。②の技術を習得された方は3万円の高級靴、③の幸福物語を提案する販売員の売上高は無限大です。生涯掛けて④の接客力を磨きましょう。

⑤オンリーワン化を図る。工業時代は同質化社会でしたから、売れるものなら何でも売る社会でした。IT時代は異質化社会です。あなたは何を売るのかを問われる社会です。自ら企画してメーカーに造らせる、PB(プライベート・ブランド)社会です。消費者が憧れる靴を、発展途上国の旅行者が爆買いする国産靴を売りたいものです。







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