靴マーケティング最新レポート

2017年9月8日

全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
(財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労者の収入は2016年9月から実質プラスに転じた。2017年2月まで6ヶ月間増加傾向にあったが、その後マイナスに転じ5月まで3ヶ月間昨対割れが続いている。一方消費支出は2016年3月以降2017年5月まで、連続15ヶ月間水面下にある。アベノミクス効果と実体経済は大きく乖離しているだけに、今後の消費動向から目が離せない。




消費支出の対前年同月実質増減率(全国)



勤労世帯の実収入及び可処分所得の対前年同月実質増減率



10大費目の対前年同月実質増減率(2017年5月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 283,056円    △0.1% 15か月連続実質減少
 食   料     73,984円      △2.2% 10ケ月連続実質減少
 住   居    15,749円    △8.8% 設備修繕・維持など2ヶ月ぶりの減
 水道・光熱     20,533円   △2.2% 上下水道料・ガス代など2ヶ月減
 家具・家事    10,715円   3.5% 2ヵ月連続増
 被服・履物   11,451円         △13.1% 洋服・履物類など大幅減
 保険 医療  12,093円    1.9% 医薬サービスなど9ヶ月ぶり増
 交通 通信  42,289円      6.8% 自動車関係費、通信など2ヶ月ぶり増
 教   育  9,557円       △3.0% 授業料3ヶ月連続減少
 教養 娯楽  28,360円      △4.7% 教養娯楽サービス、教育娯楽用品減
 そ の 他  58,324円      6.2% 交際費・諸雑費など2ヶ月連続増


堅調を続ける靴・履物類の消費支出
 靴・履物類の消費支出は、全消費支出がマイナスを続けているのに反して、一昨年4月から順調に推移している。一昨年2015年度の靴・履物類の年間通算伸び率は97.6%、昨年も99.9%と堅調に推移した。中でも運動靴は107.3%でバブル崩壊以降の好調さを記録した。男子靴103.7%、子供靴101.9%など昨対クリアしたものの、婦人靴は94.2%と昨年を大幅下回った。


履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
 2015年通算  105.8  101.8  95.1  94.2  97.6
2016年1月  110.7  100.5  95.3  111.1  103.0
2月  125.1  142.2  97.1  90.2  111.8
3月  98.7  119.8  123.5  81.7  112.1
 4月  101.7  98.2   93.1   132.0   97.4
 5月  104.8   119.4   101.0   88.8   104.5
 6月   105.1   79.7   102.3   118.8   97.9
 7月  100.7  95.4  87.0  93.5  94.2
 8月  80.0  83.7  76.8  106.2  83.8
9月  95.9  100.7  88.9  95.2  94.8
 10月  127.4  112.7  94.4  88.3  105.8
 11月  113.5  94.8  84.6  91.9  94.6
 12月  124.3  97.6  94.2  98.1  98.8
 2016年通算  107.3   103.7   94.9  101.9   99.9
 2017年1月  111.1  96.5  105.0  103.3  102.5
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 2017年~2016年

 拡大図(pdfが立ち上がります)  左欄は平成2017年、右欄は平成2016年度


靴専門店現場情報

 2015年の実績は100と前年をクリアして、2016年も通算101と順調にクリアした。安倍バブルの追い風に乗せて、モダン・スポーティブ感覚が強まりカジュアルが絶好調である。レディスにフラットシューズやスニーカーが人気を呼んでいる。この夏も全体にスポーティ化を進め、シューズのスニーカー化、サンダルのカジュアル化、低寸のカジュアルパンプスが、堅調な動きを示した。晩夏から秋冬に掛けて、カジュアルライクな革ショートブーツの量販が期待される。メンズも一昨年超不振の反動もあって昨年は104と前年を上回り好調を持続している。スポーツは増税後の落ち込みはなく、昨年も109と絶好調を続けている。靴はファッション・トレンドの主役になったことや消耗性も高く、世活必需品的な性格を併せ持つからである。2017年夏はモダンス・ポーティブの流れが継続するが、秋冬は安倍バブルが収束して、カジュアル・スポーツはエレガンス・フェミニンへの移行を始めるだろう。



安倍バブル崩壊に備える秋から冬への営業戦略

 アベノミクスの進展が景況を押し上げ、気分は「躁」へ移行して、レディスはカジュアル色を強めた。春はモダンなマスキュリン・カッター、スニーカーライクなカジュアル・スポーツが、好調な動きを示した。この秋冬のティストは春に引き続き、スポーティブ&モダン感覚は継続するものの、アベノミクスの勢いが弱まるにつれ景気を後退させ、フェミニンエレガンス感覚への移行が始まる。シルエットはアイロントゥ、ヒールも細身のピンヒールが登場して、この秋冬は久しぶりにクラシックフェミニンなブーツの復活が見られよう。


メンズもカジュアルへ移行して、ドレスはトラッド、カジュアルはアメカジが拡大、リーガルやレッドウィング、ウルヴァリンがヒットブランドとして浮上した。レディス同様、アベノミクス失速はメンズのモード化を進める。アメトラはブリトラ、アメカジはイタカジへの移行を進めるだろう。シルエットはブルからタイトヘ、ソールはグッドイヤー感覚からマッケー感覚へ、全体にエレガントなティストが求められるようになる。


アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく貢献した。NBのランニング、コンバースのオールスターが大ヒットして、靴量販チェーンのABCマートの業績は絶好調だった。またスニーカースタイルの多様化を進め、シューズデザイン×スニーカー仕様の、ハイブリッドアイテムが拡大、定番スニーカーと大きな相乗効果を生んだ。安倍バブル崩壊時は、95年当時バブル崩壊時と同じ現象が起きる。そこで期待されるのはハイテクモデルである。シンプルなハイテクモデルからスタートサセ、インパクト感の強いハイテクモデルへ移行させる。スニーカーの各カテゴリーにハイテクディテールに注目したい。いずれも長く履ける革の高品質物を提案して、単価アップによる業績向上を目指したい。










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