靴マーケティング最新レポート
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全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
主要品目別前年対比増減率(2021年1月)
不振を続ける靴・履物類の消費支出
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履物類品目別消費金額前年対比増減率 |
年 月 | 運動靴 | 男子靴 | 婦人靴 | 子供靴※ | その他を含む計 |
2020年1月 | 70.4 | 64.4 | 85.5 | 93.3 | |
2月 | 61.9 | 94.4 | 94.1 | 310.3 | 95.1 |
3月 | 54.2 | 80.8 | 70.1 | 247.9 | 77.2 |
4月 | 27.5 | 41.1 | 25.6 | 121.8 | 40.0 |
5月 | 43.4 | 38.8 | 42.6 | 233.0 | 59.2 |
6月 | 118.3 | 102.7 | 96.0 | 95.3 | 94.7 |
7月 | 90.0 | 91.8 | 98.8 | 95.3 | 94.7 |
8月 | 65.3 | 102.6 | 83.3 | 341.2 | 91.9 |
9月 | 38.7 | 56.1 | 59.3 | 310.1 | 63.5 |
10月 | 108.2 | 104.9 | 99.3 | 134.5 | 103.6 |
11月 | 67.2 | 105.1 | 84.1 | 165.7 | 86.2 |
12月 | 82.3 | 73.9 | 66.7 | 223.5 | 83.8 |
2020年通算 | 69.0 | 79.7 | 75.5 | 81.9 |
商品部門別昨年対比表 2021年~2020年


靴専門店現場情報 2017年は安倍バブルによる好況によって、モダン・スポーティブ感覚が強まり、2019年度は全体にカジュアル化を進め、中でもスニーカーが絶好調だった。同時にシューズのスニーカー化、サンダルのカジュアル化、低寸のカジュアルパンプス化を進め、その結果靴専門店は単価ダウンが拡大、大きな売上減に見舞われた。レディスは2020年後半期は昨対78と、 2018年以来低迷を続けている。 メンズもレディス同様カジュアル化とスニーカー化を進めたが、レディス程単価ダウンは起きなかったものの、2020年は昨対83と低迷した。一方スニーカー部門はモダン・スポーティブ感覚が拡大して、2019年後半期は4年連続昨対を上回り%、118%と絶好調だったが、2020年コロナ禍により大幅ダウン、通算昨対73%と激減した。コロナワクチンによる終息の見通しが立ちつつあるので、コロナ終息後消費のV字型回復が期待される。 アフターコロナに備える秋冬の営業戦略 この秋冬の最大の焦点はコロナ禍の終息時にある。コロナ後の景気はV字型回復基調を取ると考えられるので、アクティブスポーツ感覚が強まる。直近1月の靴専門店の売上高は、婦人靴は昨対78%で、靴専門店にとって苦難が続いている。景況回復が早まるほど、シューズからスニーカーへ、エレガンスからカジュアルへ移行して単価ダウンを進め、売上減に見舞われているからだ。スニーカーの売上平均単価は7千円なのに比べて、シューズは1万円超、ブーツは2万円以上で、スニーカー単価は大幅ダウンになる。単価ダウンによる売上げ減を食い止めるには、高品質・高価格カジュアルを品揃えの柱にする他に道はない。 メンズもカジュアル化へ移行して、アメリカンカジュアルが急拡大、売上全体の半数近くをカジュアル靴で占めるようになった。カジュアル化によるメンズ靴低迷から脱却するには、高品質・高価格のアウトドアアイテムの投入が欠かせない。レッドウィングやウルヴァリンなど名門メーカーを集めて、売上げ増を図りたいものである。しかしアウトドア商品だけ投入しても、売上には結び付き難い。好況を売上げ増の追い風にするには、売場・陳列・売り方に臨場感が求められる。高価格化よってメンズシューズ部門の売上浮上を図りたい。トラッド化とアメカジ化はシルエットはタイトからむラウンドヘ、ソールはマッケーからグッドイヤーへ、全体にがっちり感覚が求められるようになるだろう。 アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく貢献した。NBのランニング、コンバースのオールスターが大ヒットして、靴量販チェーンのABCマートの業績は絶好調だった半面、シューズ主体の靴専門店は苦戦を強いられた。そこでスニーカーのシューズ化を進めよう。シューズアッパー×スニーカーソールの、ハイブリッドアイテムが注目される。シューズ化によってスニーカーの単価アップを進め、シューズのアウトドア部門との相乗効果で売上高増が期待される。注目されるのは90年バブル時のハイテクブームである。これからハイテクブームの復活が予想される。ハイテク化の流れは早くも2021年春の商品情報で、ナイキやフィラ、アシックスのハイテクディテールが登場している。この秋冬は更にインパクトの強い、ハイテクモデルがお目見えするだろう。スニーカーの各カテゴリー毎にハイテクディテールに注目して、トレンド・高品質品を提案して更なる業績アップを図りたいものである。 |