靴マーケティング最新レポート

2018年1月19日

全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
(財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労者の収入は2016年9月から実質プラスに転じたものの、2017年10月まで10ヶ月間は月平均0.52%増と低迷している。一方消費支出は2017年6月だけは3.2%増だったが、10ヶ月平均ではマイナス0.5%と水面下にある。アベノミクス効果と消費実態は大きく乖離しているだけに、今後の消費動向から目が離せない。



消費支出の対前年同月実質増減率(全国)



勤労世帯の実収入及び可処分所得の対前年同月実質増減率



10大費目の対前年同月実質増減率(2017年10月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 282,872円    0.0%
 食   料     72,562円      0.0%
 住   居    19,659円    1.8% 設備修繕・維持など3ヶ月連続増
 水道・光熱     18,723円   △2.7% 電気代・ガス代など6ヶ月減
 家具・家事    9,727円   △5.8% 寝具・家庭用耐久財2ヶ月連続減
 被服・履物   11,306円         △2.3% 軽衣料・履物類など減
 保険 医療  13,346円    0.2% 医薬サービスなど2ヶ月連続増
 交通 通信  40,304円      3.9% 自動車関係費、通信など2ヶ月ぶり増
 教   育  14,822円       16.8% 授業料4ヶ月ぶりの増
 教養 娯楽  26,347円      △7.0% 教養娯楽サービス・書籍2ヶ月連続減
 そ の 他  56,075円      △1.8% 交際費・諸雑費など4ヶ月連続減


堅調を続ける靴・履物類の消費支出
 靴・履物類の消費支出は、全消費支出がマイナスを続けているのに反して、一昨年2016年度の靴・履物類の年間通算伸び率は99.9%と堅調だった。しかし2017年10月までの通算伸び率は96.9%と失速気味である。運動靴は2017年春夏106.7%でバブル崩壊以降の好調さを記録したものの、秋の伸び率は低下傾向にある。男子靴98.2%、婦人靴は96.8%、子共靴90.4と昨年を下回った。


履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
 2016年10月  127.4  112.7  94.4  88.3  105.8
 11月  113.5  94.8  84.6  91.9  94.6
 12月  124.3  97.6  94.2  98.1  98.8
 2016年通算  107.3   103.7   94.9  101.9   99.9
 2017年1月  111.1  96.5  105.0  103.3  102.5
2月  102.3  83.0  81.5  90.1  88.8
3月  91.9  101.1  113.3  81.7  99.4
4月  115.2  102.2  98.3  93.9  103.9
5月  113.1  72.6  85.8  82.8  88.9
6月  102.1  104.8  87.7  86.3  95.3
7月  108.7  90.9  106.9  96.5  102.1
8月  102.1  117.5  103.1  72.1  103.6
9月  108.2  111.4  96.4  80.0  100.3
10月  89.9  102.1  89.9  117.7  93.8
2017年通算  104.5  98.2  96.8  90.4  96.9
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 2017年~2016年

 拡大図(pdfが立ち上がります)  左欄は平成2017年、右欄は平成2016年度


靴専門店現場情報

 2016年は安倍バブルによってモダン・スポーティブ感覚が強まり、2017年夏も全体にカジュアル化を進め、シューズのスニーカー化、サンダルのカジュアル化、低寸のカジュアルパンプスが、堅調な動きを示した。その結果カジュアル化により単価ダウンを進める同時に、需要はスニーカーへ流れたため、レディスは昨対93と絶不調に陥った。メンズは2016年104と前年を上回ったが、2017年はレディス同様カジュアル化とスニーカー化を進め、5月まで通算93と失速したもののその後回復基調にある。一方スニーカー部門はモダン・スポーティブ感覚が継続、3年連続昨対を上回ったが伸び率は伸び悩み始めた。今春夏は安倍バブルが収束して、モダン・スポーティブ感覚からエレガンス・フェミニン感覚への移行を始めるだろう。



安倍バブル崩壊に備える春から夏への営業戦略

 アベノミクスの進展がレディスのカジュアル色を強めた。咋秋冬はモダンなマスキュリン・カッターと、スニーカーライクなカジュアル・スポーツが好調な動きを示した。この春夏ティストは、アベノミクスの勢いが弱まるにつれ景気は後退、フェミニンエレガンス感覚への移行が始まる。これは靴専門店にとって大きなチャンスである。スニーカーからシューズへの回帰と、カジュアルからエレガンスへの移行は、単価アップが期待できるからである。スニーカーを売っていれば単価は5千円、シューズなら1万円超、カッターなら1万円、ブーツなら2万円を超えるので、単価は倍以上になる。しかもシルエットはアイロントゥへ、ヒールも細身のピンヒールが登場して、この春夏は久しぶりに高単価クラシックフェミニンなパンプスと、サンダルの復活が見られよう。

メンズもカジュアルへ移行してトラッドドレスとアメカジが拡大し、リーガルやコンバースが大ヒットした。売上全体の7割近くを占めるカジュアルのスニーカー化は、メンズ売上の大幅失速を来たし、2017年春は昨対93と絶不調だった。しかし6月以降は回復傾向にある。2018年春夏はレディス同様、アベノミクス失速がメンズのモード化を進め、シューズ還りが期待できる。特にカジュアルはスニーカーに食われていただけに、シューズ化はメンズ売上浮上へ大きな役割を果たすだろう。シルエットもレディス同様ラウンドからタイトヘ、ソールはグッドイヤー感覚からマッケー感覚へ、全体にエレガントなティストが求められるようになる。

アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく貢献した。NBのランニング、コンバースのオールスターが大ヒットして、靴量販チェーンのABCマートの業績は絶好調だった。この秋冬はエレガンスフェミニンの流れが強まり、スニーカーもドレス化を進めよう。シューズデザイン×スニーカーソールの、ハイブリッドアイテムを拡大させたい。この動きはスニーカーの単価アップを進め、シューズ部門との相乗効果で売上高二桁アップを狙える。注目は安倍バブル失速期で、95年バブル崩壊時と同様ハイテクブーム復活が期待である。ハイテク化の流れはこの春シンプルなハイテク仕様から、夏はインパクト感の強いハイテクモデルが登場するだろう。スニーカーは各カテゴリー毎にハイテクディテールに注目して、トレンド高品質物を提案して単価アップを図り、更なる業績向上を目指したい。









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