靴マーケティング最新レポート

2016年12月19日

全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
(財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労者の消費支出は2015年3月をピークにして、その後2回前年を上回ったものの、2015年9月以降マイナスを続け、2016年9月まで連続13ヶ月間減少になった。その理由は実収入の伸び悩みにある。実収入は2015年7月にピーク後、伸び率はほぼゼロ%を推移している。アベノミクス効果と実体経済が大きく乖離しているのは、失業率が低下しているのに実収入が増えない現象にある。今後の消費動向の行方が気になる。





消費支出(季節調整済実質指数)推移(二人以上の世帯)



勤労者世帯の実収入の推移(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)



10大費目の対前年同月実質増減率(2016年9月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 267,119円    △2.1% 7か月連続の実質減少
 食   料     69,425円      △2.0% 外食・魚介類など減
 住   居    14,418円    △16.9% 設備修繕・維持、家賃地代など減
 水道・光熱     18,335円   2.5% 電気代増
 家具・家事    10,140円   7.7% 家庭耐久財、家事用消耗品など増
 被服・履物   8,129円         △13.6% 洋服・他の被服など減
 保険 医療  11,769円    △1.1% 医薬品。保険医療用品、器具など減
 交通 通信  39,678円      0.6% 通信費増
 教   育  13,773円       △4.2% 授業料、教科書・学習参考教材減
 教養 娯楽  27,684円      0.3% 教養娯楽耐久財、教養娯楽サービス減
 そ の 他  53,766円      △1.6% 交際費、仕送り金減


堅調を続ける靴・履物類の消費支出
 
 靴・履物類の消費支出は、前消費支出がマイナスを続けているのに反して、一昨年4月から順調に推移している。一昨年2014年度の靴・履物類の年間通算伸び率は104.5%で、バブル崩壊以降の好調さを記録した。消費増税後の2015年1月から2015年12月期の1年間は97.6と堅調に推移した。増税後の落ち込みは少なく、品目別では運動靴105%と絶好調、男子靴102%と婦人靴は99.9%と昨対クリア、婦人靴と子供靴は咋対を下回った。




履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
2015年7月  116.7  102.5  112.2  115.0  108.2
8月  118.6  107.7  101.5  94.2  104.9
9月  102.9  86.8  100.5  129.2  98.8
10月  105.4  95.7  97.6  88.5  97.2
 11月  91.5  99.4  85.5  89.6  91.1
 12月  102.2  103.8  81.8  95.6  88.1
 2015年通   算  105.8  101.8  95.1  94.2  97.6
2016年1月  110.7  100.5  95.3  111.1  103.0
2月  125.1  142.2  97.1  90.2  111.8
3月  98.7  119.8  123.5  81.7  112.1
 4月  101.7  98.2   93.1   132.0   97.4
 5月  104.8   119.4   101.0   88.8   104.5
 6月   105.1   79.7   102.3   118.8   97.9
 7月  100.7  95.4  87.0  93.5  94.2
 8月  80.0  83.7  76.8  106.2  83.8
9月  95.9  100.7  88.9  95.2  94.8
 2016年通   算  102.5   104.4   96.1  101.9   99.9
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 2015年~2016年

 拡大図(pdfが立ち上がります)  左欄は平成2016年、右欄は平成2015年度


靴専門店現場情報

 2015年の実績は100と前年並だったが、2016年の1月から9月までの通算では101と、辛うじて前年をクリアした。レディスにスニーカー人気が高まり、売上げはスポーツに取られ気味で、売上げ不振で通算95に止まった。メンズは一昨年超不振の反動もあって、昨年は103と前年を上回り本年も105と健闘している。スポーツは増税後の落ち込みはなく、本年も105と好調だったが、アベノミクスの見せ掛け効果が失速して、ひと頃の勢いは失いつつある。


安倍バブル崩壊による来春夏の営業戦略

 アベノミクスの進展が景況を押し上げる期待感によって、気分は「躁」へ移行してカジュアル・スホーティブ感が強まった。それによってエレガンスゾーンは絶不調に陥り、昨秋冬以降の不振は目を覆うばかりの惨状である。婦人靴チェーンの卑弥呼の上場廃止、婦人靴卸最大手のシンエイと、コンフォート有力ブランドのバレリアンシューズなど、レディスシューズ関連の破綻が相次いだ。

背景にあるのは実質賃金が伸び悩み、消費の冷え込み状態が続いているからである。アベノミクス失政が表面化する2017年春夏は、気分は再び「鬱」へ移行する。ティストは2016年春夏に引き続き、スポーティブ&モダン感覚は継続するものの、アベノミクスの勢いが弱まるにつれエレガンス浮上が期待される。2017年春夏久々にデザイン性の復活が見られよう。

ただ一挙にスポーティからエレガンスへ変わる訳ではない。アッパーはシューズ、ソールやヒールのカジュアル仕様といったハイブリット感覚が注目される。また平成バブル崩壊95年当時のハイテク・ブーム再来が本格化する。2017年春夏スニーカーは、シューズ寄りのハイブリット感覚が強まり、秋冬はティーンズにパンキッシュなハイテクスニーカー、ヤングにハイテク・バスケ、レディスにハイテク・ランニングと、タウン系のハイテクスニーカーが大ヒットしよう。

アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく寄与した。消費増税後も順調に推移して現在も咋対をクリアしている。しかしシューズからスニーカーの流れは、革靴専門店にとって鬼門であった。商品単価の低下による売上げ不振に陥る店が続出したからである。安倍バブル崩壊が本格化するにつれ、2017年春夏はカジュアル・エレガンス感覚の低寸アンクルパンプスや、サンダルが堅調な動きを示すだろう。秋冬は久しぶりにブーツが注目される。秋はブーテイ、冬はブーツが復活する。いずれも革の高単価・高品質物が望まれるだけに、単価アップによる業績向上が期待される。









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