靴マーケティング最新レポート

2018年5月17日

全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
 (財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労者の収入は2017年6月から実質プラスに転じたものの、2018年2月まで1年間通算は0.7%増と低迷している。一方消費支出は2017年6月だけは2.3%増だったが、1年間通算ではマイナス1.6%と水面下にある。アベノミクス効果と消費実態は大きく乖離しているだけに、今後の消費動向から目が離せない。



消費支出の対前年同月実質増減率(全国)



勤労世帯の実収入及び可処分所得の対前年同月実質増減率



10大費目の対前年同月実質増減率(2018年2月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 265,614円    0.1%
 食   料     71,693円      0.5% 外食増、野菜減
 住   居    13,649円    △12.3% 設備修繕・維持、家賃など減
 水道・光熱     29,645円   6.1% 電気代・光熱代など増
 家具・家事    8,539円   2.6% 家事用消耗品・家庭用耐久財増
 被服・履物   8.630円         1.3% 洋服・下着類増
 保険 医療  12,756円    △0.8% 保険医療用品・器具、医薬品増
 交通 通信  41,790円      9.5% 自動車関係費・通信など増
 教   育  10,084円       △15.8% 授業料減
 教養 娯楽  25,420円      △0.5% 教養娯楽耐久財・書籍減
 そ の 他  43,408円      △4.6% 仕送り金・諸雑費減


堅調を続ける靴・履物類の消費支出
 靴・履物類の消費支出は、全消費支出がマイナスを続けているのに反して、一昨年2016年度の靴・履物類の年間通算伸び率は99.9%と堅調だった。しかし2017年10月までの通算伸び率は96.9%と失速気味である。運動靴は2017年春夏106.7%でバブル崩壊以降の好調さを記録したものの、秋の伸び率は低下傾向にある。男子靴98.2%、婦人靴は96.8%、子共靴90.4と昨年を下回った。


履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
 2016年通算  107.3   103.7   94.9  101.9   99.9
 2017年1月  111.1  96.5  105.0  103.3  102.5
2月  102.3  83.0  81.5  90.1  88.8
3月  91.9  101.1  113.3  81.7  99.4
4月  115.2  102.2  98.3  93.9  103.9
5月  113.1  72.6  85.8  82.8  88.9
6月  102.1  104.8  87.7  86.3  95.3
7月  108.7  90.9  106.9  96.5  102.1
8月  102.1  117.5  103.1  72.1  103.6
9月  108.2  111.4  96.4  80.0  100.3
10月  89.9  102.1  89.9  117.7  93.8
 11月  102.4  101.9  97.3  111.4  100.1
 12月  90.5  84.6  94.9  69.6  94.2
2017年通算  103.1  97.4  96.7  90.5  97.7
 2018年1月  103.0  140.6 95.1  96.8  107.1
 2月  92.8  81.5  100.0  78.0  95.4
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 2018年~2017年

 拡大図(pdfが立ち上がります)  左欄は平成2018年、右欄は平成2017年度


靴専門店現場情報

 2016年は安倍バブルによってモダン・スポーティブ感覚が強まり、2017年度は全体にカジュアル化を進め、シューズのスニーカー化、サンダルのカジュアル化、低寸のカジュアルパンプスが堅調な動きを示した。その結果カジュアル化により単価ダウンを進め、同時に需要はスニーカーへ流れたため、レディスは2017年に昨対93と絶不調に陥った。メンズもレディス同様カジュアル化とスニーカー化を進め、2017年春は失速したものの、その後回復基調にある。一方スニーカー部門はモダン・スポーティブ感覚が継続、3年連続昨対を上回ったが、伸び率は2017年をピークに低下傾向にある。今夏秋は安倍バブルが収束して、モダン・スポーティブ感覚からエレガンス・フェミニン感覚への移行を進めるだろう。


安倍バブル崩壊に備える夏から秋への営業戦略

 アベノミクスの進展がレディスのカジュアル色を強めた。2017年秋冬はモダンなオックスフォードと、スニーカーライクなカジュアル・スポーツが好調な動きを示した。この夏秋はアベノミクスの勢いが弱まるにつれ景気は後退、フェミニンエレガンス感覚への移行を進める。現にレディス専門店では、この春3月から昨対を上回った店もある。これは靴専門店にとって大きなチャンスだ。スニーカーからシューズへの回帰と、カジュアルからエレガンスへの移行は、単価アップが期待できるからである。スニーカーの単価は7千円、シューズは1万円超、カッターなら1万円、ブーツなら2万円を超え、単価は倍以上になる。しかもシルエットはアイロントゥへ、ヒールも細身のピンヒールが登場して、この秋冬は久しぶりに高単価クラシックフェミニンなパンプスと、ブーティの復活が見られよう。

 メンズもカジュアルへ移行してトラッドドレスとアメカジが拡大し、リーガルやコンバースが大ヒットした。売上全体の7割近くを占めるカジュアルのスニーカー化は、メンズ売上の大幅失速を来たし、2017年春は昨対93と絶不調だった。しかし6月以降スニーカーから回復傾向にある。2018年春夏はレディス同様、アベノミクス失速がメンズのモード化を進め、シューズ還りが期待できる。特にカジュアルはスニーカーに食われていただけに、シューズ化はメンズ売上浮上へ大きな役割を果たすだろう。シルエットもレディス同様ラウンドからタイトヘ、ソールはグッドイヤー感覚からマッケー感覚へ、全体にエレガントなティストが求められるようになる。

 アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく貢献した。NBのランニング、コンバースのオールスターが大ヒットして、靴量販チェーンのABCマートの業績は絶好調だった。しかしこの春からスニーかー昨対割れが目立つ、秋冬はエレガンスフェミニンの流れが強まり、スニーカーのエレガンス化を進めよう。シューズアッパー×スニーカーソールの、ハイブリッドアイテムが注目される。この動きはスニーカーの単価アップを進め、シューズ部門との相乗効果で売上高二桁アップも視野に入った。注目は95年バブル崩壊時のハイテクブームである。それと同様安倍バブル失速期に、ハイテクブーム復活が期待される。ハイテク化の流れはシンプルなハイテク仕様から、秋はインパクト感の強いハイテクモデルが登場するだろう。スニーカー・カテゴリー毎にハイテクディテールに注目して、トレンド高品質品を提案して単価アップを図り、更なる業績アップを目指したい。



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