靴マーケティング最新レポート

平成22年7月20日

全世帯の消費支出は21年8月からプラスに転じる
総務庁統計局の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労世帯の実収入は、21年12月を底に本年4月までやや持ち直した。この夏の賞与は前年対比微増と報じられているので、秋冬の消費支出は若干プラスに転じると思われる。景気は底を打ったといえ相変わらず政情不安・雇用不安が続いているので、消費支出がどう動くか予断を許さない。   



消費支出の対前年同月実質増減率(全国)

勤労世帯の実収入及び可処分所得の対前年同月実質増減率

10大費目の対前年同月実質増減率(平成22年1月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 299,996 円    △0.7%
 食   料     64,771円      △1.1% 野菜・外食減
 住   居    19,506円     12.7% 設備・家賃地代増
 水道・光熱     23,830円    3.1% 電気代・光熱費増
 家具・家事    8,829円    3.2% 家庭用耐久財増
 被服・履物   10,703円         △13.1% 洋服・シャツ減
 保険 医療  12,790円    10.7% 医療・医薬品増
 交通 通信  36,910円      △1.7% 自動車関係費減
 教   育  22,797円       △0.8% 学習書減
 教養 娯楽  30,774円      △3.3% 教養娯楽サービス減
 そ の 他  69,088円      △0.1% 小遣い・諸雑費減


本年度に入って冷え込む靴・履物類の消費支出
靴・履物類の消費支出はアパレルの大幅な落ち込みにもかかわらず、平成21年度は昨対をクリアし、年間通算は100.8でほぼ横ばいであった。21年5月から本年4月までの4ヵ月通算は102%と安定している。中味は運動靴に急ブレーキが掛かり98.4と失速状態にあるものの、男子靴は113.2%と絶好調だった。メンズ好調の背景は昨年前半が悪すぎた反動と、エレガンス化の強まりにある。婦人靴と子供靴は安定を続けている。

履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
21年4月 90.1 80.9 121.2 102.9 98.9
5月 117.8 126.9 114.1 115.3 112.8
6月 91.8 110.0 109.3 123.9 101.9
7月 95.2 91.2 89.9 101.2 94.0
8月 106.8 99.2 87.8 106.6 100.0
9月 100.3 128.0 107.6 112.8 108.4
10月 92.4 116.2 90.1 118.4 97.2
11月 97.1 100.6 109.1 85.3 100.6
12月 104.2 97.9 112.1 88.5 107.3
22年1月 99.7 109.9 95.0 114.6 102.5
2月 90.4 154.1 97.6 103.0 106.7
3月 86.1 122.1 109.5 91.4 101.7
4月 99.3 102.5 82.4 81.3 90.9
22年度通算 93.9 122.2 96.1 97.6 100.5
総務庁統計局


 顧問先商品部門別前年対比表 21~22年

        拡大図                  左欄は平成22年、右欄は平成21年度


春夏に於ける靴専門店現場情報
昨年はギリギリで昨対をクリアしたが、本年に入って伸び悩みの状態が続いている。好調なのはメンズだけでスポーツは大幅ダウン、レディスの売上げが冴えない。メンズ好調の背景は景況の不透明感の拡大が労働環境を悪化、キチンと装わなければ仕事に就けないからである。エレガンス化の流れが強まったため需要はスニーカーからビジネスへ移行、単価アップによる売上増を進めたからである。


秋冬商戦に掛けての見通し
昨年はカジュアルからエレガンスの移行期にあったが、景気の透明感が拡大するにつれエレガンス化が強まった。夏は若干カジュアルへの揺れ戻しが見られたものの、冬に近付くほどエレガンスの動きは更に強まる。スポーツはエレガンスの匂いのするモード系へ移行するだろう。

レディスはこの春夏ブーツが絶好調、半面カジュアル色の強いカッターやサンダルの動きは厳しかった。カッターはベタからヒールアップタイプへ、サンダルはエレガンス系へ移行したが、足肌モロ見せサンダルやオープンパンプス、オープンカッターは弱く、ちょい肌見せグラディエーターやブーティ・サンダルが大躍進した。この流れは秋冬に継続、初秋からブーティやブーツが飛び出そう。パンプスとブーツの中間、カッターとブーツの中間、スニーカーとブーツの中間タイプが売れ筋化する。注目アイテムはロック感覚のブーティと、ニーハイ・ロングで、服のボリューム化の流れを受けてインストームが継続しよう。ワーク系のジョッキーはミリタリーへ、ペコスはファーマーズからフィッシャーマンへ移行する。昨年大ヒットしたエスニックブーツはエレガンス化の流れを受けて、トライバル調からフォークロア・アレンジした、チロリアンやワラビーが期待出来る。

不況感の拡大でメンズが復活した。ドレスシューズの動きが堅調で、秋から冬に向けてモード感覚のドレスブーツが期待出来る。ブリティッシュ・トラッドをモードアレンジした黒、茶、グレイが注目される。ビジネスはトラッドからブリテッシュへ、更にフレンチトラッドへの移行が進む。ドレス化の強まりはシューズよりブーツ、アメカジよりモードへの流れを強め、高価格化を進めるため靴業界にとってチャンス到来である。メンズはファッション面で見ればまだまだ穴の状態にあるだけに、商品と売場の鮮度アップを進め秋冬のモチベーション需要を喚起したい。

キッズは少子豪華消費時代を迎えた。大手ゴム履物メーカーの低価格運動靴から、シューズ感覚に近い高価格ブーツやアウトドアカジュアルの動きが強まる。通学用運動靴、体育用トレーニングシューズを控えめにして、大人物で大ヒットしたアイテムのキッズ版を投入させて、商品・売場のファッション化を進めたい。

景況に大きく左右されるのはスニーカー、不況感の高まりでこのところ失速状態にある。景気の不透明感が強まるこの秋冬は更に落ち込む可能性がある。スニーカー不振を脱出する注目アイテムは、秋にトレイルアウトドアとロック系のハイカット・バッシュ。冬はフォークロアの流れを受けたニット・ブーツである。ノルディックやカナディアン・テイストのスノーブーツが大ヒットしよう。


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