靴マーケティング最新レポート

2019年2月4日

全世帯の消費支出は15ヶ月間咋対割れ
 (財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、勤労者の収入は2017年7月から実質プラスに転じたものの、2018年1月から10月までの半年間通算はマイナス0.8%と低迷している。一方消費支出は2017年6月から2018年1月まて僅かにプラス2だったが、2018年2月以降は、年間通算ではマイナス1.59%と水面下にある。アベノミクス効果と消費実態は大きく乖離しているだけに、今後の消費動向から目が離せない。



勤労者世帯の実収入の推移



消費支出の推移



10大費目の対前年同月実質増減率(2018年10月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 290,396円    △0.3% 2か月連続減
 食   料     79,016円      △1.2% 野菜・肉類減
 住   居    19,163円    △3.6% 設備修繕・維持など減
 水道・光熱     19,394円   △2.0% ガス代など減
 家具・家事    10,788円   8.8% 家庭用耐久財・家庭雑貨増
 被服・履物   11.120円         △8.0% 洋服、シャツ、セーター類減
 保険 医療  13,860円    1.0% 保険医療用品、器具、医薬品増
 交通 通信  43,161円      3.5% 交通、通信増
 教   育  17,092円       13.3% 授業料、補習教育など増
 教養 娯楽  28,053円      △0.2% 教養娯楽サービス、書籍、他印刷物減
 そ の 他  48,749円      △4.3% 仕送り金、諸雑費減


堅調を続ける靴・履物類の消費支出
 靴・履物類の消費支出は、全消費支出がマイナスを続けているのに反して、一昨年2016年度の靴・履物類の年間通算伸び率は99.9%と堅調だった。しかし2017年の通算伸び率は97.7%、2018年10月までの通算伸び率は97.4%と低迷気味である。品目別では運動靴がこの2年間伸び率は低下傾向にある。2018年の男子靴は通算98.8%と回復傾向、婦人靴は通算94.1%、子共靴は98.5%とマイナス傾向にある。


履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
 2016年通算  107.3   103.7   94.9  101.9   99.9
2017年 10月  89.9  102.1  89.9  117.7  93.8
 11月  102.4  101.9  97.3  111.4  100.1
 12月  90.5  84.6  94.9  69.6  94.2
2017年通算  103.1  97.4  96.7  90.5  97.7
 2018年1月  103.0  140.6 95.1  96.8  107.1
 2月  92.8  81.5  100.0  78.0  95.4
 3月  103.5  100.1  86.5  120.0  98.4
 4月  93.8  99.7  91.9  73.1  94.8
 5月  93.1  113.4  94.4  123.6  99.6
 6月  100.6  97.3  103.3  101.2  101.5
 7月  105.1  98.1  84.3  110.8  92.3
 8月  111.1  92.7  95.3  103.2  98.1
 9月  104.4  85.8  94.0  109.4  97.3
 10月  87.3  78.3  96.0  68.8  88.8
 2018年 通算  99.5  98.8  94.1  98.5  97.4
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 2018年~2017年

 拡大図(pdfが立ち上がります)  左欄は平成2018年、右欄は平成2017年度


靴専門店現場情報

 2016年は安倍バブルによってモダン・スポーティブ感覚が強まり、2017年度は全体にカジュアル化を進め、シューズのスニーカー化、サンダルのカジュアル化、低寸のカジュアルパンプスが堅調な動きを示した。その結果カジュアル化により単価ダウンを進め、同時に需要はスニーカーへ流れたため、レディスは2017年に昨対95と絶不調に陥った。メンズもレディス同様カジュアル化とスニーカー化を進め、2017年度から低迷を続けている。一方スニーカー部門はモダン・スポーティブ感覚が継続、3年連続昨対を上回ったが、伸び率は2017年をピークに低下傾向にある。今夏秋は安倍バブルが収束して、モダン・スポーティブ感覚からエレガンス・フェミニン感覚への移行を進めるだろう。



安倍バブル崩壊に備える2019年春夏の営業戦略

 アベノミクスの進展がレディスのカジュアル色を強めた。2017年秋冬はモダンなオックスフォードと、スニーカーライクなカジュアル・スポーツが好調な動きを示した。この春夏はアベノミクスの勢いが弱まるにつれ景気は後退、フェミニンエレガンス感覚への移行を進める。現にレディス靴専門店では、2018年末から昨対を上回った店もある。これは靴専門店にとって大きなチャンスである。スニーカーからシューズへの回帰と、カジュアルからエレガンスへの移行は、単価アップが期待できるからだ。スニーカーの単価は7千円、シューズは1万円超カッターなら1万円、ブーツなら2万円を超え単価は倍以上になる。しかもシルエットはアイロントゥへ、ヒールも細身のピンヒールが登場して、この秋冬は久しぶりに高単価クラシック・フェミニンなパンプスと、ブーティの復活が見られよう。


メンズもカジュアルへ移行してトラッドドレスとアメカジが拡大し、リーガルやコンバースが大ヒットした。売上全体の7割近くを占めるカジュアルのスニーカー化は、メンズ売上の低迷を来たし、2017年は昨対99、2018年も98と昨対割れだった。2019年春夏はレディス同様、アベノミクス失速がメンズのモード化を進め、シューズ還りが期待できる。特にカジュアルはスニーカーに食われていただけに、シューズ化はメンズ売上浮上へ大きな役割を果たすだろう。シルエットもレディス同様ラウンドからタイトヘ、ソールはグッドイヤー感覚からマッケー感覚へ、全体にエレガントなティストが求められるようになる。

アベノミクス効果はスニーカー需要に大きく貢献した。NBのランニング、コンバースのオールスターが大ヒットして、靴量販チェーンのABCマートの業績は絶好調だった。しかし2018年は伸び悩み傾向にある。2019年春夏はエレガンスフェミニンの流れが強まり、スニーカーのエレガンス化を進めよう。シューズアッパー×スニーカーソールの、ハイブリッドアイテムが注目される。この動きはスニーカーの単価アップを進め、シューズ部門との相乗効果で売上高アップも視野に入った。注目は95年バブル崩壊時のハイテクブームである。安倍バブル失速期にハイテクブームの復活が予想される。春のハイテク化の流れはシンプルなハイテク仕様、夏にはインパクト感の強いハイテクモデルが登場するだろう。スニーカーはカテゴリー毎にハイテクディテールに注目して、トレンド高品質品を提案して単価増を図り、更なる業績アップを目指したい。



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