繁盛させる仕組みを創る経営者講座


1.繁盛させる仕組みと仕掛け

繁盛させるには基本を学ぶ
早く上達するには基本を守ることです。これはスポーツの世界だけでなく経営にも同じことが言えます。皆さん同じように努力されているのに伸びるスピードが違うのはどうしてでしょうか。僅か数年間で上場企業化を果たす方も居られる反面、数十年かけても食うだけが精一杯という方も居られます。この差は繁盛させる勉強をしているかの差と、繁盛させる実行をしているかの差の二点にあります。

何のために勉強するのかは、繁盛するのに回り道をせず、繁盛までの最短距離を歩くためです。回り道は全てコストに繋がります。若いときの回り道は成功する糧となりますが、歳を取ってからの回り道は失敗は許されませんから、このHPを良く見て勉強して下さいね。繁盛させる勉強には二つあります。一つは儲けるためのビジネス知識。二つ目は時流に乗せるファッション知識です。
ビジネスの知識とは一言で例えれば数字合わせです。先ず儲ける方法は

 ・売上げの範囲内で仕入れを抑える
 ・粗利益の範囲内で経費を賄う

の二点です。何を馬鹿な事をとおっしゃる声が聞こえそうですが、こんな簡単なことが出来ないから倒産するのです。この二点が守れない方は社会に迷惑を掛けますから経営者をお辞め下さい。サラリーマンだって給料の範囲内で生活しているのですから
次に売上げを伸ばしたい利益を上げたい方は、儲けたお金を事業に注ぎ込み再投資を続けることです。無限に大きくなりたい方は無限に、「そこそこ」になりたい方は「そこそこ」にです。「そこそこ」にとは、「商いをやっていて良かったな」言える規模と財務内容ですが、それはお金とヒマと健康に苦労しない豊かな生活を指します。本当は健康第一ですが、お金とヒマを欠くとストレスを溜めて体を壊しますからね。

ビジネス知識があれば食うに困りませんが、楽して儲けるには時間が掛かります。そのためには時流に乗せるファッションの勉強も致しましょう。工業社会はビジネス知識だけで十分でしたか、IT社会は生活全般にファッションを追及する社会ですから、ファッションを理解しなければ時流から取り残されます。これは服・靴・バッグなどのファッション産業はもとより、ファッション産業以外の全産業にも当てはまります。時流を逆らっていたら何時まで泳いでいても前に進みません。


繁盛させるビジネスの仕組み
商いの規模には、「そこそこ」にと、「地元の名士」になる、「国家天下を動かす」の三種類あります。これは人生観の違いでどれが良くてどれが悪いとも言えません。しかし「商いって素晴らしい」と思う規模にはなりたいものですね。経営形態には生業・家業・企業の三形態ありますが、「そこそこ」とは生業形態規模を言います。

「そこそこ」とは、夫婦、親子単位の一代限りの生業形態を指します。生業経営の目標は年商2億円、年間経常利益1千万円、夫婦年収2千万円が最低基準値です。ここまで到達すれば中流の上の生活をして、休日を週2日取れますから「そこそこ」の生活でしよう。商いとはお客様へ「豊かな生活をプロデュースする」産業ですから、店主はお客様よりそこそこ良い生活をしていなければ商いを貧しくさせます。貧しさが高じると忍耐と根性の世界へ進め、体が疲れてしまうからです。

年商2億円へ目指すには、自己資本(資本金+剰余金)を7千万円まで、ひたすら利益を積み増し(増資)することです。生業経営者は利益が上がるとすぐ豪邸を建てたり高級車を購入して、自分の資本を使ってしまうケースが見られます。経営者個人が豊かになっても、収入源を豊かにしなければ店は豊かになれません。年間経常利益1千万円を上げるには自己資本を高め、総資本対自己比率40%以上を目指しましょう。

「地元の名士」になりたい方は家業経営です。家族・親戚を中心とした一族経営で、家業を永続的に残したい経営形態です。家族1名当り年商1億円×家族数で、多店舗化せず巨大店舗化を進めます。家業店舗は大きければ大きいほど売上高対経常利益率は高くなる傾向にあり、年商1億円の経常利益率は1.5%に対して、年商2億円は5%、年商10億円の大型店は10%に達します。10億円売るのに1億×10店舗より1店舗で10億円売る方がはるかに儲けられるからです。

家業経営が頓挫する原因は、小型店を作っては全国チェーンの中型店に負け、中型店はGMSや百貨店の大型売場に押され、各地で苦戦を強いられ、結局行き詰って消滅します。家業経営店は企業経営の真似をして多店舗化してはいけません。1店舗巨大化するには靴店はバッグを付加する、バッグ店は靴を加えながら大型化を続け、更にファッション雑貨をMIXさせて増床を続けます。同時に駐車場の拡大も進めなければなりません。これは中心商業地でも同様で、駐車場の無い立地で売上げを上げるには、100都市の中心商業地以外は無理です。

国家・天下を動かしたい方はどうする?。それは私を経営顧問に迎えなさい。いくらでも大きくして差し上げます。上場企業も夢ではありません。


楽に儲ける仕掛け創りとは
商いは基本的には「楽して儲ける」ものです。おしんの時代ならともかく、エンターテイメントに溢れたIT社会では、根性や忍耐は時流には合いません。広辞苑によれば時流とはその時代の風潮・傾向で、平たく言えばファッションのことです。ファッションは時代を映し出す鏡と呼ばれているくらいですから。ファッションセンスを磨きませんと、時流から取り残されてお客様の足は遠ざけます。ウチはシニア~シルバー対象だからファッションとは無縁、言われる方がいますがとんでもありません。ファッションを外したら生活必需品のゴム靴でさえも売れません。

ファッションは時代の気分を表現するものですから、生活環境から大きな影響を受けます。生活環境は景況の変化に敏感で、景気は良くなれば人々の気分は躁型が高まり、アクティブでスポーツ感覚テーストが強まります、不況になると鬱型の気分に陥り、クラシックでエレガントなテーストが主流になります。テーストの変化はシルエット・色・素材に現れ、商品・売場・売り方の全てを変えていくのです。

ファッションの傾向から時流を見通せば、クラシックでエレガントなテーストが続いている限り、今後も景気は回復しないと考えられます。不況時は仕事が少ないだけに、リクルーターはスーツを着てシューズを履き、ブリーフケースを抱えてキチンと装わなければ就職できません。売れ筋にキチントしたアイテムが増えれば、演出する売場はきれい目エレガンスに、売る販売員もスーツを着て、VPやディスプレイも上品・優雅に演出することが求められます。現在業績は、カジュアルスポーツ業態よりクラシックエレガント業態の方がいい、GMS業態より百貨店業態の方がマシなのはキチントした業態だからでしょう。

このようにして見れば店頭にスニーカーを山済み、店内は箱積みが目立つ、売場は汚れた価格訴求のPOPやステッカー、接客は上着の裾だしHIP・HOP系のお兄さんでは、業績は厳しかろうと想像はつきます。じゃあスニーカーショップはどのようにしたら良い?。まず店頭はワゴンの山積みを止めて、ジャケットにエレガントスポーツをコーディネイトしたVPに変えましょう。店内は目に入る位置の箱積みを止めて、POPやステッカーを外して中田選手のポスターを貼る。販売員はジャケットを着せてクラシックスニーカーを履く。こうすれば業績は目に見えて回復するでしよう。


経営者はファッションに強くなる
ファッションは現場の仕事だから、経営者はファッションに疎くても良い、と考えて居ませんか。これはとんでもない誤りです。時流を掴むのは経営トップの仕事ですから、ファッションに対して無知・無理解は、経営の方向性を見失いかねません。一般的に量販店の業績が厳しいのは、トップがファッションに弱いからです。社長レベル=社員レベルですから、トップがファッションに無知ならば誤った決断を下すでしようし、現場も時流を外した商品・売場・売り方をするでしょう。

それではどのようにしたらファッションに強くなれるでしようか。おしゃれの入門はトラッドからです。それもブリティッシュ(英国調)から。分からないうちは頭の上からつま先まで全部ブリティッシュで決めましょう。トラッドを理解すれば、他のテーストもだんだん分かるようになります。クラシックもモダンもトラッドアレンジから生まれてものと気が付きますし、トラッドのコーディネイト・ルールを学べば、外しのテクニックも自然と身に付きます。

次は時流を知るファッショントレンドの掴み方です。ファッショントレンドにはメーカー・デザイナーによる川上主導型と、ティーンズの街の中の風俗から生まれる川下主導型の二つがあります。工業社会は川上型でしたか、IT社会は川下型でストリートファッションと呼ばれています。いまカリスマデザイナーと言われているJ・ゴルチェもストリート型です。

トレンドを掴む手順は
・おしゃれな若者が集まる街に出て、若者の風俗をチェックする
・人気芸能番組(音楽・映画・ドラマ)のおしゃれなタレントのファッションに注目する

・人気ファッション雑誌の表紙を飾るセレブ(有名人)とセレブの掲載記事のワードローブをマークする
若者のとんがった風俗をスタイリストがキャッチしてセレブに表現する。それを大衆が真似てファッション化する。ストリートと芸能がキャッチボールしながらトレンドが生まれていくのです。

 
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