販売のプロを目指す接客講座


2.プロ販売員に学ぶ接客技術

最高の笑顔でお迎えする
お客様がお見えになるって本当に感動的な事なのです。日本には1億2600万人のお客様がいらして、150万の店と738万人の販売員がいます。その膨大な人の中でたった一人のお客様と販売員との出会いは、まさに不思議な出来事と思いませんか。その運命的な出会いを感謝して、最高の笑顔でお迎えするのが販売員の礼儀なのです。

繁盛するかどうかは販売員ガ「ニコニコ」しているかどうかで決まります。あるバッグのチェーン店では、いつもはニコニコしている販売員だけに変えただけで、売上高が急増した例がありました。笑顔は快楽ホルモンを分泌させ体の行動力を活発にします。それがお客様に感染して財布の紐を緩ませたのでしよう。

初めてのお客様は入店されるのに多少勇気がいるものです。「売りつけられないかしら」とか「高い買い物をさせられるのではないか」と不安に思っています。その不安を取り除くのが「ニコニコ顔」と「キビキビ動作」です。ヒマな時間であってもニコニコしながら商品整理やディスプレイの作業をしている。そのニコニコ・キビキビした動作がお店を活気付け、お客様を呼び込むのです。

「いらっしゃいませ」のアプローチは適切なタイミングで
アプローチとは入店されたお客様に「いらっしゃいませ」と近付くことを指します。
アプローチの上手下手がお店の第一印象を決める大切な行事ですから、しっかり勉強して下さいね。お客様の中には『そっとして欲しい』方もあれば『しっかり接客してもらいたい』方もいます。それをお客様の体の動きで知るのです。

『そっとして欲しい』お客様は『何か良い靴があるかな』と軽い気持で来店される方で、お客様の体の動きと、商品を見ている目線が定まりません。このようなお客様へは「どうぞ、ごゆっくりご覧ください」と軽く会釈して自由に見ていただきましょう。

『しっかり接客して欲しい』お客様は買う目的で来店される客様ですから、目的の売場へツカツカと直行されますから、販売員は「ようこそいらっしゃいませ」とすぐにアプローチ致しましょう。

アプローチのタイミングは、ショッピングセンター内店は遅め、路面店は早目。ティーンズ~ヤングのお客様は遅め、アダルト~シニアは早め。女性は遅め、男性は早めが基本ですが、あくまでお客様の体から発するサインを見逃さないように、気配りを致しましょう。

「ようこそ」の感謝の気持を込めて
あなたのお店へお客様がお見えになるのは奇跡的なことですから、感謝の気持を体いっぱいに表現しましょう。多くのお店の中で私どものお店と、私を選んでいただいたのですから"ようこそご来店いただいて"の気持を込めながら「いらっしゃいませ」とご挨拶するように心掛けましょう。

「いらっしゃいませ」のご挨拶は形式的にならないように。朝でしたら「おはようございます。いらっしゃいませ」、暑い日には「いらっしゃいませ。お暑い日にようこそお出でいただきました」。お馴染みさんには「水飼様お待ちしておりました」など「いらっしゃいませ」のバリエーションを沢山持ちましょう。

『今日は見るだけよ』のお客様でも「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくり」だけで放っておいてはいけません。たとえ見るだけのお客様であっても「素敵なバッグをお持ちですね」とお客様の持ち物をお褒めしながら、「お目が高い。今ご覧のパンプスとのコーディネイトはバッチリ」などと時々声を掛けましょう。お客様を喜ばそうとする気配りが次のご来店に結び付くのです。

お客様から好かれる販売員になる
従来、売上げを上げる要素は、立地の良さと、品揃えの量と価格でした。しかし豊かになった今日では、お客様から販売員が『好かれているか』どうかで決まります。通行量の多い良い場所にお店を構えながら、業績不振のお店が多いのは、販売員がお客様から好かれていないからお客様が寄り付かないのです。

お客様から好かれるようになるには、販売員がお客様を好きにならなければなりません。そのためには、お客様をたくさん知ることが大切。ヘア・メイク、服の好み、靴・バッグのセンス、お仕事の内容など、お客様の生活背景を知ることが、お客様を好きになるコツです。理解出来ない勉強は嫌いになるのと同じですね。

お客様を好きになれれば、親しくしている友達同様に会話は弾むでしょう。会話を弾ませればお客様がして欲しいサービス、望んでいる商品が見えてきて、それを反映させればお店は繁盛するのです。量販店が売上げを落とし続けるのは、接客しないからお客様のウォンツを理解できないからです。会話量=売上高なのですよ。

お客様との楽しい会話を弾ませるには、音楽のヒットチャートや、人気ドラマ・バラエティ番組などを良く見ることをお勧めします。ファッションやライフスタイル・トレンド(先端)は芸能からの影響を強く受ける時代が到来しました。

求められるスタイリスト&ヘルスアドバイザー
ご来店されたお客様を素早く観察して、どんな会話を交わせたらお客様に喜んでいただけるか、接客のストーリー(話の組み立て)を考えます。ヘア・メイク・服・靴・バッグの雰囲気から、ファッションのテースト(好み)を理解しましょう。お客様の目線を追って、どんな靴を探していらっしゃるかを知ると同時に、お客様の足のサイズを把握します。これはジロジロ見るのではなく"そっとさりげなく"ですよ。

お客様のお召しの服と、いまご覧になっている靴とコーディネイトが合っていれば、在庫状況を思い出して品出しの準備をします。在庫切れになっていれば替わりの靴を探し出す用意をしましょう。服とご覧になっている靴とが違う場合は「どんな時にお履きになられます?」とお聞きしましょう。そのために販売員は日頃から商品毎の在庫状況と、「足入れサイズ」を頭に入れて置く必要があります。

大切なのは「おしゃれ」と「健康」を併せて売ることです。お客様に「おしゃれ」を売るのためにはファッショントレンドとコーディネイト知識が必要ですし、「健康」でしたら、どんなフットライフを送くろうとしているのかを理解しなければ、適切な靴を提案できません。販売員はお客様を素敵に変えるスタイリストであると共に、快適なフットライフを提案するヘルスアドバイザーであることが望まれます。

接客ストーリーの組み立て方
接客はお客様の生活を豊かに変えるドラマなのです。どうしたらカッコ良いおしゃれな方に変えられるか、もっと快適なフットライフが送れるようになれるか、お客様の身体の外面と内面を同時に、健康的に変えるのか販売員の仕事です。接客のストーリーは、アブローチから試し履きまでの前半と、フィッティングからクロージング(お買い上げ)までの後半とに分けられます。

接客の前半に必要とされる知識はファッションです。お召しの服のテーストと服のシルエット(型)とどう靴をコーディネイトするかです。テーストでは保守的なトラディショナル(伝統的)には服と靴のテーストを合わせ、革新的なモダン(現代的)にはテーストを外すのが一般的です。シルエットは身体にピッタリつくタイトな服には細身の靴、身体からはなれるルーズな服にはボリュームのある靴と合わせましょう。

後半はフィッティング知識が求められます。身体の健康を守る、促進させる快適なフットライフを送るアドバイスを致しましょう。ただパーティやビジネスなどの場面で足に負担のかかる靴を提案する場合は、足を休ませる方法をアドバイスするのもお忘れなく。(詳しくは後述のファッション&フィッティング講座を参考にして下さい)

試し履き率とお買い上げ率は何で決まる
試し履き率とは、入店されたお客様に対して試し履きされたお客様の比率で、専門店の平均値は60%ぐらいです。この数値はファッション知識の高い販売員がいるお店は80%に達し、客単価(お客様のお買い上げ金額)は2万円を越えますが、ファッション知識が低いお店は30%以下、客単価は5千円を割り込むのが一般的です。

お買い上げ率とは、試し履きをされたお客様の内お買い上げされたお客様の比率で、フィッティング知識がこの数値を大きく変えます。フィッティングが上手な販売員のお買い上げ率は100%近くに達しますが、フィッティング知識が低い販売員ですと30%を割り込みます。

接客の前半を上手に進めるのがファッションの知識、後半のお買い上げに結び付けるのが、フィッティングの知識であることがご理解いただけたと思います。この二つの知識は車の両輪ですから、日頃から知識の習得に励んで下さいね。現在、アパレル店が靴を扱うケースが増えていますが、アパレルはフィッティング知識を疎かにしていますから、靴専門店にとって脅威になりません。

クロージングでお客様の心を酔わす
クロージングとは商品と金銭の受け渡しを言います。お客様が『これを買う』と言われた時、「ありがとうございます。お買い上げ金額は○○円です。商品代金○○円と消費税○○円お預かり致します」と申し上げ、お金を頂戴したら「○○円お預かり致します」とハッキリした声を出して確認をします。キャッシャーには商品名、お買い上げ金額、お預り金額を、声を上げて伝えましょう。

商品を包装する前に必ずキズ・汚れ・両足サイズの確認を声を上げながら検品します。包装は赤ちゃんに服を着せるのと同様に、両手で大切に丁寧に扱いながら「今日は良い靴が見つかって良かったですね。靴は素敵なお客様に選ばれてとても幸せそう」と言葉を掛けながら包装すると、お客様に喜ばれます。

クロージングが終わったお客様には"お得意様名簿"に記入していただきます。切り出し方は「アフターサービスのお知らせや、プレミアムサービスのご案内をさせていただきますので、お差支えなければご記入いただけますか?」とお願いしましょう。お客様はあなたのサービスに満足されれば喜んで記入していただけるはずです。

また、時間に余裕があるお客様には、次に入荷する商品のお知らせも忘れないように、
カタログをお見せしながら「次のご来店をお待ちしています」とご案内します。

下のお得意様名簿のPDFファイルを用意しています。
ご自由にダウンロードして印刷してお使い下さい。

 
 お得意様名簿PDFファイル 
表面 裏面



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