もうけるプロを目指すバイヤー講座


1.業績をアップさせるMD講座

MD戦略とは何か
MDとは商品政策のことで、お客様が欲しい商品を、欲しい時に、欲しい場所で、適正な量と欲しい価格で購入出来るようにするための商品計画を指します。
ただ単に商品を仕入れるだけでなく、売場創り、販促などを含めた総合的な戦略を言うのです。

業績を伸ばすには戦略を間違えないことですが、中でもMD戦略を誤まると
戦術(立地・売場創り)、戦闘(販促・接客)ではカバー出来ません。小売店が売上げ減を食い止めようとして、休日営業、長時間営業の動きが広がっていますが、頑張るだけでは売上げ減を解決出来るものではありません。MD戦略を誤っていているのが主要因で、これを改善しなければ、今後も売上げ減を続けるでしょう。

MD戦略とは
1、何を売るかのMD戦略----------------部門、スタイル、アイテムの選定
2、何時、どれだけ売るかのMD戦略-------タイミングと在庫量
3、売場に表現するMD戦略--------------売場面積、陳列量、演出
の3つにあります。

以前ダイエーさんの中内さんが「お客様が見えなくなった」と言われていましたが、これは重大な問題であって、中内さんだけでなく、ほとんどの経営者、バイヤーが悩んでいる問題ではないでしょうか、「お客様を見る」方法とは時流を知る、つまりファッショントレンドを理解することです。ファッションは商品、売り場、売り方全てを変えて行くからです。

それではファッショントレンドの見方はどのようにするのでしようか。それには先ず新聞の一面記事の大見出しを継続的に見ること。次に芸能パフォーマンスの順に見ていきます。日本経済新聞の一面を追っていますと米国の景況はイラク紛争の長期化で泥沼状態にあり、経済はこの秋から減速すると伝えられています。一方ユ―ロ圏はドイツ、フランスは厳しい状況にありますが、拡大する新ユ―ロ圏は新たな投資を呼び込み、ユーロ圏全体の経済成長率は上昇気流にあります。ファッショントレンドは経済力の強い国へ移行しますので、トレンドは当分ユーロから発信されると考えられます。


ファッションでトレンドを掴む

ファッションは時代の気分を表現するものですから、TV映像時代は芸能パォーマンスに現れます。ドラマ、音楽、ダンスなどラジカルな身体表現が、ファッショントレンドに大きな影響を与え始めました。

今注目のドラマ「オレンジデイズ」は、脚本ヒットメーカー北川悦吏子さんのおしゃれな恋物語ですが、聴覚に障害を持つ女性の沙絵を演ずる、柴咲コウのドラマファッションが人気を呼んでいます。同じようにヒット番組のさだまさし原作「愛し君へ」の管野美穂と藤木直人のファッションが注目されています管野美穂がデートに着ていたフェミニンなフリル付きワンピースや、セパレーツパンプス、ジュウエリーを散りばめたヒールサンダルはこの秋も大ヒット続けるのは間違いありません。

女性ミュージシャンでのファッショントレンドセッターは浜崎あゆみ。可愛らしいバービー人形風からめっきり女っぽくなりました。ジュニアに大人気のモー娘。子供っぽさが消えてガーリー風へ移行中です。いずれも大人っぽいエレガントなファッションが拡大中です。一方男性ボーカリストではGLAY、 いつもシングルTOP10で上位にランキングされていますが、きちんとしたモード系のスーツを着こなしていますし、平井堅や森山直太郎はすっきりとしたモードジュアルで決めています。

いまギャルが減り、グランジ(汚れた)フアッションの人気が減少する反面、きれい目ファッションへの人気が高まっているのは、芸能タレントの影響を強く受けているからです。トレンドセッターは、デザイナーズファッションを身につけたセレブから、スタイリストによるドラマヒロインへ変わりつつあります。バイヤーさんは芸能パフォーマンスを手本にしたMD戦略を立てる時代が到来しました。


売上げデータでトレンドを掴む
ファッションセンスでトレンドを掴むことは良く分かったが、どうも芸能音痴で最近のドラマや音楽は理解し難いと言う方は、売上げデータから掴む方法があります。それは
1、高額プライス
2、売上高
3、商品別売上げ構成比率の推移
4、対前年売上高伸び率(昨対)
から予測することが可能です。「お客様が見えない」要因はこの1~4の分析をしっかりしましょう。
そこで先ず第1から、ファッションはお金持ちから生まれますから、トレンドは高額品から現れます。低額品ばかり扱っていると、ファッションが見えなくなるのは、これが主原因なのです。

2の売上高は数量X単価で求められます。トレンドは先ず売上げ数量から増え始め、次に商品単価アップによって売上げが増えていくのです。売上げ数量が増え始めたら成長商品、商品単価アップしたら成熟商品、売上げ数量ダウン始めたら衰退商品、商品単価ダウンになつたら消滅商品と考えましょう。

3の商品別売り上げ構成比率の推移ですが、これは商品部門(レディス、メンズ、スーカー)と商品スタイル(パンプス、カジュアル、ブーツ、サンダル)があります。このホームページにある商品部門別の今週の売上げ情報、中期の売上げ情報のグラフを見ながら、これからの売上げ予算を立てます。また毎日商品スタイル別の売上げ予想と、自店の売上げ実績のグラフをつけて、その推移を継続して見れば、これからの予測が立つようになります。データは翌年もほぼ同じ動きをしまから、翌年には大きな力を発揮できるでしょう。

4の対前年売上高伸び率(昨対)は、トレンドを知る最も大切なデータです。商品部門(レディス、メンズ)、スタイル(パンプス、ブーツ又はビジネス、カジュアル)、スニーカーはブランド毎に見て行きましょう。前年に対して今年はどれだけ売上げ伸ばしたか、売上げ足数と商品単価を見ます。ただし現在売上げを伸ばしていても将来このまま伸ばし続ける保障はありませんし、売上げ減を続けている商品が、これからも落とし続けるとは限りません。その判断は芸能人が着用しているか、否かにあります。

靴専門店の売上高伸び率は、現在スニーカーの昨対90%と伸び悩みの状態にあります。今後伸びるかどうかはおしゃれなタレントが使われるかどうかにかかっているでしょう。芸能パフォーマンスの面から見れば、おしゃれなタレントが履いているのはシューズ中心で、ウエアとスニーカーを合わせていません。たまにスニーカーを合わせる場合があっても、コンバースやアディダスのベーシック系が主です。ここれから判断するとスニーカーはこの秋浮上困難と考えられます。
 
業績を上げるには、ファッショントレンドの見方をしっかり身に付けなければなりません。


MD力を上げるバイヤーの5条件
1 先ずは人柄が素敵なこと
先ずは何てったって人柄です。仕入先に対して「買わせて頂く」謙虚な気持を持っていることが大切。何しろ自社の業績は仕入先が握っているのですから。私は問屋のセールスをしている時は、マナーの悪いバイヤーには、絶対売れ筋を収めませんでした。トップは気付いていなくても、GMSやチェーン店の中には不当返品、値引き強要、協賛金の要求を繰り返しているところがあります。全般的に量販店の品揃えが悪いのは、バイヤーのマナーが悪いからでしょう。

2 センスが良いこと
センスとはファッションセンスとビジネスセンスのこと。ファッションセンスで売れ筋アイテムを掴み、ビジネスセンスで需要量(仕入量)を決めるからです。よく発注書に1アイテム各1仕入れのケースを見受けますが、これは全くセンスが無いバイヤーと評価されます。普段からおしゃれを楽しむ、データに隠された意味を知る努力をして下さいね。

3 楽歴を積んでいること
楽しいことをたくさん経験しましょう。いま業績を上げるには店にエンターテイメント性のあることがポイント。楽しくなければ商品ではない。楽しくなければ売場ではない。楽しくなければ販促ではないの時代が来ました。それにはバイヤー自身たくさん遊んで楽歴を積むことです。楽歴とは芸能に強くなる、トレンドのスポーツ(アウトドア)を楽しむことが大切です。

4 現場に強いこと
バイヤーさんはヒマさえあれば現場に立つこと、それもファッショントレンドの高額靴を、1日最低30万円売る「接客の達人」でなければ、これからのトレンドは掴めません。バイヤーが現場に「もっと売れ」「頑張れ」と指示を出しても、バイヤー自身が売るお手本を示さなければ、現場から尊敬されませんし、尊敬されなければ店長や販売員は付いて来ません。

5 勉強好きなこと
学校での勉強は社会人になるための基礎知識を学ぶこと。現場での勉強は回り道せず早くプロになるためです。これはスポーツでもゲームでも同じ。コーチに付かなければ中々上達しません。商いも同じ、自己流では何時まで経っても時間の無駄と商品のロスを積むばかりです。皆さんのはこのホームページをコーチ代わりにして、勉強して下さいね


MD力を高める仕入れ先の選び方

1 ホームページを見る
IT時代はホームページで仕入れ先の良し悪しは判断できます。靴業界はファッション産業ですから、先ず全体の構成がおしゃれであるかどうかです。次に何を売ろうとしているのか企業のコンセプトが明確かどうかです。第三に社長の経営哲学や経営理念のページを見ます。あとは自社とのバランスですね。自社の規模に比較して、大き過ぎず小さ過ぎず分相応を選びましょう。

2 メールを打って訪問する
相性が良さそうならメールを打ってアポを取ります。返事のメールが直ぐ来たら合格。2日以上遅れたり、来なかったら訪問する価値はありません。IT時代はメールのお作法は不可欠で、ITに関心の薄い企業は将来性はありません。
アポを取ったら訪問します。社屋がおしゃれで、事務所内が清潔で、社員の応対がキビキビ・ニコニコ・ハキハキしていたらOKです。

3 担当者に逢って見る
担当者はファッショナブルかポイント。特に履いている靴がトレンドかどうかです。靴とネクタイが水っぽかったらファッションはまるで分からないから、
早々に切り上げて退散します。次に話題、ファッションのトレンドや、靴専門店のこれからの方向など前向きな話が多ければ、ヒット商品を沢山持っていると考えて良いでしょう。

4 ショウルームと企画担当者に逢う
ショウルームは商品のコンセプトと合っていたら合格。次にサンプルを見ますが、売れ筋と思われる商品が20%以上あれば良いのですが、本当の大ヒット商品は、ショウルームにサンプルが無いのが普通です。企画担当者は現場を良く知っているかが大切で、ヒット商品を量産するのは企画室ではなく、現場から生まれるものだからです。

5 取引条件を決める
取引条件ははじめは現金が基本。取引量、テリトリーの問題、リテールサポートの有無も大切、商品だけを納品するのでなく、繁盛する情報も流してもらえる取引先がこれからの方向です。どうしても取引したい相手なら、自社の会社案内、決算書を持参するのが、取引申し込み側のマナーと言えます。掛け率は高低より、売れ足の速さが問題。掛け率は低くても売れ足が鈍ければ結局ロスを出すからです。


MD力の強化を計る店側5原則
1 仕入れ先から頼りにされる店になる
仕入先から頼りにされなければ、売れ筋の納品は後回しにされます。頼られるには第一に仕入れ量、第二に情報量です。仕入れ量は担当セールスの売上げ高の7%が頼りにされる下限でしょう。情報量とは新製品が入荷したら月曜日に消化率を報告すること。この二つを守れば売れ筋の入荷はスムースです。もし第一が不足するようでしたら、第二だけでも実行すれば仕入先から好感が持たれ、大分改善されるでしょう。

2 不当返品しない
返品ぐせのある店は売上げノルマがアテにならないので、セールスは極端に嫌います。返品は不良品と納期遅延以外は絶対にしてはなりません。仮に仕入先の了解をとってもダメです。セールスはうわべだけははニコニコしていても、ココロの中は煮えくり返っています。私はセールスの時、不当返品をする店には「二度と売れ筋を絶対に納めない」と心に誓ったものです。

3 支払い条件を守る
商品回転率≒支払いサイトですから、オール現金払いが理想的です。だが仕入れ量が1の頼りにされている額に達していましたら、支払いサイトは常識的(90日)な範囲内でしたら、売れ筋はスムースに回って来るでしょう。ただし手形にしても現金にしても、約束はキチンと守ることが条件です。よく「現金払いをしている」と言いながら残高をかなり残していたら問題外です。

4 個展、見本市には必ず顔を出す
個展、総合見本市には必ず顔を出すことです。何故なら情報量が訪問営業より圧倒的に多いから、個展、見本市に欠席すると先が見えなくなるからです。その際発注しない場合は、「今回は在庫過多なので注文出来ない」旨をセールスに伝えておきましょう。セールスはあなたからどれだけ受注があるか予算組みをしています。そのの期待を裏切らないためです。

5 担当セールスをめちゃくちゃ大事にする
「利は元にある」の言葉通りセールスを大切にしない限り、儲けは期待出来ません。出張訪問の場合は必ず逢う、出張コストに合う発注を出すのは礼儀です。発注出来ない場合は、「今回はこれこれしかじかで注文出来ない」旨をあらかじめ伝えておきましょう。それでも訪問を受けたら、キチンと逢って食事ぐらいは振舞うこと。逢うの嫌で居留守を使うのはもっての他です。

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